メインとなるルール


はじめに

プレイ中のGMの判断はどのルールよりも優先されます。
ゴールデンルールに則り、プレイヤーはGMの決定に従い、GMはできるだけ正しいルールで、
公平な処理を行うこと。

ゴールデンルール

判定

 何か重いものを運ぶ、高いところへ飛ぶ、交渉を上手く行う、などのキャラクターが試みた
行為は全てダイスで成否を決めます。このことを行為判定 と呼びます。
 行為判定の手順は以下の通りとなります。

  1. 判定の宣言
  2. 能力の決定
  3. 目標値の決定
  4. ダイス数の決定
  5. ダイスロール(サイコロを転がすこと)
  6. 達成値の算出
  7. 行動の成功/失敗の確定

 順々に説明をしていきます。

①判定の宣言

GMはそのキャラクターがとる行動を判定で処理すると宣言します。
判定の必要がなければ自動的にその行為は成功したことになります。

②能力の決定

次にGMがその判定がどの能力値で行われるか、ゲーム内で設定されたものからふさわしいものを決定します。
たとえば重いものを運ぶのであれば【筋力】がふさわしいでしょう。

③目標値の決定

GMはその判定がどれぐらい難しいかを表す[目標値]を設定します。この際、GMは目標値を隠す、
もしくは目標値がないという風にしても構いません。

④ダイスの数の決定

能力レベルから、振れるダイスの数を決めます。さらに他にダイスの数を増減する要素があれば、
それを考慮しましょう。例えば特技を使ってダイスを増やすなどのケースが考えられます。

⑤ダイスロール

握ったダイスを全て振り、出目を合計する。この時、「6」の出目が2個以上出た場合、
その判定はクリティカルとなります。逆に全て「1」の場合はファンブルとします。

⑥達成値の算出

出目の合計に、使用している技能が所属している能力判定値を加えます。これを[達成値]と呼びます。
なお、その他達成値への修正はこの時点で適用します。
クリティカルが起こった場合、この達成値に+10します。

⑦行動の成功/失敗の確定

上で算出された達成値が、GMが設定した目標値以上であれば行動成功となります。
目標値未満だった場合は行動は失敗となります。

まとめ

達成値=[(能力のレベル)D6+能力判定値]+その他の修正
達成値≧目標値で判定成功 達成値<目標値で判定失敗

対決判定

誰か敵対しているキャラクターに攻撃を加える、そのキャラクターはその攻撃を避けようとする。
こういった「キャラクター同士が争う」ことがあります。
その場合、どちらが勝利したかを決めることを対決判定 と呼びます。

対決の手順は以下の通りとなります。

  1. 対決の宣言
  2. アクション側、リアクション側の決定
  3. 技能の決定
  4. アクション側の判定
  5. リアクション側の判定
  6. 勝利/敗北の決定

①対決の宣言

まず、GMがその判定を対決で処理をすると宣言することで対決が発生します。

②アクション側、リアクション側の決定

どちらが行動を受ける側(リアクション)で、どちらが行動を行う側(アクション)かを決めます。
上の例で言えば、剣で攻撃しようとしたキャラクターが「アクション」、
避けようとしているのが「リアクション」となります。

③能力の決定

アクション側、リアクション側それぞれで用いる能力を決定する。

④アクション側の判定

先にアクション側が判定を行い、達成値を算出する。

⑤リアクション側の判定

リアクションが判定を行い、達成値を算出する。

⑥勝利/敗北の決定

お互いの達成値を比べて、どちらが大きいかでアクション側が勝利したか、
リアクション側が勝利したかを決めます。
この時同値の場合はリアクション優先のルールを用います。つまり、リアクション側が勝利することになります。

リアクション側が複数人の場合

1つのアクションで複数人のリアクション側が発生する場合、
アクション側は一回だけ達成値を算出します。
それに対し、リアクション側はそれぞれその達成値と対決を行います。

戦闘ルール

アザーリアルムでは、アンリバースとの戦いはもちろん、野生動物や盗賊たちなどの悪い
心を持つ連中との戦いなど、戦闘は避けて通れません。

『ORM』では、戦闘はターン制で進行します。
戦闘時では【先制値】が高い順に行動を行います。敵味方の全員が行動を終わると、
再び【先制値】の高い順に行動をします。この繰り返しで行われます。
この繰り返しの一回を「ターン」と呼びます。

1つのターンは以下のように流れます。

・スタートフェイズ

・イニシアチブフェイズ

・セットフェイズ

・プロセスフェイズ(シンプルフェイズ、メインフェイズ)

・セットフェイズ

・プロセスフェイズ(シンプルフェイズ、メインフェイズ)

・セットフェイズ

・エンドフェイズ

それぞれのフェイズは以下のようになります。

①スタートフェイズ

 ここで各種支援効果や状態異常などの失効、継続的な効果の適用が行われます。

②イニシアチブフェイズ

 [先制値]を決める。[先制値]は[【行動値】+先制ダイス]で計算されます。
NPCとPCが同値の場合、PCが先制して動くことができるとします。
PC同士が同じ場合は話し合いか、もしくは【反射基本値】の高い順に動くといいでしょう。

③セットフェイズ

 [先制値]から誰が行動するかを決めるフェイズ。このタイミングで使用できる特技が
あればそれを使うことができます。

④プロセスフェイズ

 実際にキャラクターが行動するフェイズ。シンプルフェイズとメインフェイズで構成されています。

シンプルフェイズ

 シンプルフェイズに使える特技および移動、武器の持ち替えを合計2回まで使用することができます。
たとえば、移動→移動という具合でもよいし、特技→移動でも構いません。逆でも行えます。

メインフェイズ

 メインフェイズに使える特技および通常攻撃、アイテムの使用、エネミー識別を行うことが出来ます。

武器の使用

 武器は武器1と武器2に分かれます。各フェイズでの行動、通常攻撃、および特技使用は 武器1のものしか使えません。武器2の特技を使用する場合は、
シンプルフェイズで武器を切り替える必要があります。
武器1が現在戦いに使っている武器、武器2が腰などに備えている武器と考えると想像しやすいでしょう。 なお、武器1の特技の効果は、武器2に切り替えると消滅することに気をつけてください。

⑤エンドフェイズ

 ターンエンドし、次のターンへ移行します。このタイミングで使用できる特技を宣言できます。

戦闘の終了

 戦闘の終了は、GMの判断によって宣言されます。それが特定の敵の撃破であったり、
敵の全滅であったりします。戦闘終了後、戦利品ロールを行います。

戦利品ロール

 各敵には、戦利品が設定されています。1体につき1回だけ戦利品ロールを行い、
それを手に入れることが出来ます。戦利品はシナリオ終了後に換金されます。

エネミー識別

 各敵には、データが設定されていますが、その敵が何者かであるかを知るためにはエネミー識別を行います。
この判定は【知力】で行われ、特技を使わない限りメインフェイズで行う必要があります。
複数の敵を一度に判定する場合は、対決判定のルールに則り、エネミー識別は一括とします。

 エネミー識別に成功した場合、その判定値によってGMはどこまで情報開示するかを決めます。
もし識別値と同じであるならば、そのエネミーの名前とどの防御力が高いか、持っているスキルは何かを
教えるとよいでしょう。もし識別値が高ければHPなどの詳しいデータを開示してもよいでしょう。

スクエアマップ

 戦闘における位置関係はスクエアマップ(格子状に区切られたマップ)で表現されます。
このマップの1マスを”スクエア”と呼称し、スクエアはSqと表記します。

 1Sqの中には同じ陣営のキャラが二人まで配置できます。同一Sqのキャラクターの距離は0sqとします。
またSqの大きさは、1Sq隣(つまり隣接している状態)であれば近接攻撃が届くという具合を表しています。

 移動する際は、【移動力】1につき1Sq移動できます。移動できるのは上下左右Sqのみとなり、
斜めのSqには移動できません。
 さらに、敵対するNPCが配置されていた場合、そこを通り過ぎることは出来ません。障害物とみなし、
迂回するしか移動することは出来ません。
 また、1Sqに同じ陣営のキャラクターがすでに二人存在するときは、素通りすることはできますが、
そこに止まることは出来ません。

1マス範囲

攻撃ルール

戦闘には攻撃と防御がつきものになります。
『ORM』では、攻撃は基本的にメインフェイズに行われます。そして、対決判定を用いて処理が
行われます。その処理の手順は以下の通りとなります。

  1. 攻撃側の攻撃の宣言と判定
  2. リアクション側の宣言と判定
  3. ダメージの算出
  4. ダメージの適用

攻撃側の攻撃の宣言と判定

まずはキャラクターが、メインフェイズで攻撃を宣言します。
攻撃は「装備している武器で行う」、「特技を使用して行う」のどちらかです。
攻撃するキャラクターは、攻撃方法、および攻撃の対象とするキャラクターを宣言しましょう。

以上のことが決まれば、今度は攻撃の判定を行います。判定の仕方は、「武器の使用能力」
もしくは「特技で指定された能力」です。この判定を「命中判定」と言います。

攻撃の種類

『ORM』には、以下の攻撃の種類があります。通常攻撃を行う場合は、次の通りの能力を使います。

リアクションの宣言と判定

次に対象となったキャラクターがリアクションの宣言をします。もちろんこの時ダメージを受けると
しても構いませんが、大抵は判定を行うでしょう。
判定は、物理攻撃であれば【反射】、魔法攻撃であれば【精神】の能力で判定を行います。

もしリアクション側が対決に勝利した場合、攻撃は失敗となります。対決に敗北したらダメージの算出に
移ります。

リアクションは行動には入りません。なので、行動済みにはならず、行動済みのキャラクターでもリアクション
を行うことが出来ます。

ダメージの算出

攻撃が命中した場合、ダメージを算出することになります。
このダメージは基本的に「武器の攻撃力+2D6」となります。 それ以外は特技や魔法の効果を参照してください。それにより、ダイスの数や攻撃力が増すこともあります。

このダメージを求めるダイスロールを、「ダメージロール」と呼びます。 また命中判定でクリティカルしていた場合、ダメージに+10点します。

ダメージの属性

ダメージには属性が持っています。『ORM』ではグランクレストRPG準拠として、
以下の属性を持つことにします。どの属性のダメージが発生するかは、特技や魔法、武器によって
変化します。

ダメージの適用

算出したダメージから、防御力を引くことで適用ダメージを算出します。
そのダメージの属性から、その属性の防御力を引きます。それが適用ダメージです。

[適用ダメージ] = [ダメージ]-[その属性の防御力]

適用ダメージを出したら、【HP】からその適用ダメージを引きます。
その残り【HP】が0になった場合、戦闘不能となります。

戦闘不能になったら

戦闘不能状態のキャラクターは行動することが出来ません。またHPも0以上にはなりません。
また、戦闘不能状態のキャラクターに攻撃を加われた時、リアクションもできずダメージを受けます。
【筋力基本値】×3以下のHPになったら、そのキャラクターは死亡となります。
また敵がアンリバースの場合は、そのキャラクターはアンリバースとなり、キャラクターシートを
GMに渡します。そのキャラがどうなるかは、GMに委ねられます。

戦闘不能状態は、特定のアイテム、もしくは特技を使用することで回復することが出来ます。 また戦闘が終了した際にも、【HP】を1にして回復することが出来ます。

セッションの流れ

『ORM』では、セッションの流れは以下のようになります。

セッションを始める

GMが「セッションを始めます、よろしくお願いします」と言う言葉からはじまります。
GMはプレイヤーにキャラクターがどのような状態にいるのか、それからどんな状況なのかを説明します。
次に、プレイヤー達は作成したキャラクターの自己紹介をしてもらい、プレイヤー同士で共有します。

今回予告とハンドアウト

GMがPCたちにシナリオの雰囲気を知ってもらう、プレイヤーの状況を知ってもらうために、
今回予告というものとハンドアウトを事前に用意するのもよいでしょう。
今回予告はシナリオのプロローグのようなものです。
ハンドアウトは、シナリオ開始時にそのキャラクターがどういう状況なのか、
どういう因縁を持っているのか、というある程度の指標を示したものです。
二つともGMが絶対に用意しなければならないというわけではありませんが、
用意しておくと、より導入しやすくなるでしょう。

シナリオ導入

GMはプレイヤーにPCの状況を伝え、最初の行動を促します。
「依頼人が現れて仕事を頼む」「ギルドからアンリバースの討伐を依頼される」
「目の前にアンリバースが作り出した迷宮がある」などが例に挙げられます。

もちろん導入を凝ってもいいでしょうし、始めから全員が揃っているという状況でも
よいでしょう。

シナリオの進行

導入が終わると、シナリオ本編となります。
ここでは、プレイヤーが自由に発言し、自由に行動することでしょう。GMはそれらを
よく聞き、状況に応じてシナリオを進行させます。

クライマックスを演出する

ダンジョンを作り出したアンリバース、強力なライバルなどとの戦闘は一番の盛り上がりに なるでしょう。GMはそうしたクライマックスを精一杯演出し、プレイヤーたちを盛り上げましょう。
そしてその結果、シナリオがどう完結するかを演出し、終了となります。

アフタープレイ

シナリオ本編が終わった後は、アフタープレイとなります。
アフタープレイでは、戦利品の分配や経験点の配布を行います。
そして「お疲れ様でした」と一言をもって、しめくくりましょう。
後片付けなどもお忘れなく。

キャンペーンプレイとモノプレイ

ひとつのシナリオをやることをモノプレイと言います。それに対し、繋がったシナリオを複数回行うこと
をキャンペーンと言います。モノプレイで行ったシナリオのその後の展開を考え、シナリオを連続させます。
簡単なシナリオや、洞窟の構造を変えただけのシナリオを連続させるのもキャンペーンと言えます。
キャンペーンも、是非ともやってみてください。きっとキャラクターに愛着が湧くことでしょう。

成長ルール

まず、このゲームではアフタープレイで経験値と報酬が得られます。 経験値は、GMが定めた目的達成値の経験点に、遭遇したエネミーのレベルを合計したものを プレイヤー人数で割りましょう。

この時、レベルアップに必要なのは、[現在のキャラクターレベル+1]×10点となります。 つまり1レベルから2レベルになるには、20点の経験点が必要なります。 この経験点を計算して、目的を達成したらレベルが1あがるぐらいの取得経験点にすると よいかもしれません。レベルアップするのは楽しいものですから。

レベルアップをした場合以下の手順を踏みます。

①レベルの更新

キャラクターシートのレベルアップ欄を「今のレベル+1」に更新しましょう。

②HP、MPの成長

HP、MPを成長させましょう。どれだけ成長するかは選んだ種族と武器クラスによって異なります。

③能力基本値の成長

任意の能力基本値を3つ選択して、1点ずつ成長させます。その結果判定値が変わる場合はそちらも
更新しましょう。

④特技の取得

種族、武器クラス、ワークス特技から3レベル分取得することができます。
この時、既存の特技のレベルを上げても、新規に特技を取得してもよいでしょう。また、 ひとつの特技を3つレベル上げてもよいでしょう。

以上がレベルアップとなります。更に以下のことができます。

能力レベルの上昇

[現在の能力レベル+2]×5点消費することで、能力値レベルをアップすることができます。
上限は5レベルとなります。

武器強化

経験点5点消費することで、装備している武器の攻撃力、もしくは命中修正を1点上げることができます。

防具強化

経験点5点消費することで、装備している防具の体内以外の属性の防御力、 もしくは行動修正を1点上げることができます。

援護システム

戦闘中に使える、援護システムについて説明します。
もし、同じSqに二人キャラクターがいる際、そのキャラクター同士が援護をすることができます。
この際、援護するキャラは行動済みにはなりませんが、行動済みではないことが援護をする条件となります。

援護で得られるボーナスは以下の通りです。

武器攻撃で追撃

もし、キャラクターが何かしら攻撃を行った際に、その対象が同じsqにいるキャラの武器攻撃の
対象内であるならば、通常の武器攻撃を更に行うことが出来ます。この時は対象と攻撃ルールを適用して、 当たったかどうかを判別します。

あらゆる判定に+2

もし、キャラクターが何かしらの判定を行う場合、それを手伝うといったような形で、その判定値を
+2することができます。

願望ルール

あらゆる場面で使える、願望ルールについて説明します。
冒険者達は、強い欲望や願望、目的を持つために輪廻の神からの加護を得られます。
その願望を解き放つことによって、さらに力を発揮することが出来ます。

願望は、願望値として、セッション中であれば最大5つまで取得することができます。
取得を宣言することで、GMが判断し、許可すれば、取得されます。 なお、1度得た願望は果たされなくても構いません。果たそうとする気持ちが大事なのです。
ただし、願望を解放した場合、その欄は使い済みということになり、新規に取得することはできません。

たとえば、盗賊に困っている依頼人がいるとしましょう。
その人に対し、PCが「困っている人を助けたい」という願望を持ったとすれば、GMが判断して、
許可が出ればその願望をストックすることができます。「依頼金をなんとしても手に入れたい!」という
願望でもよいでしょう。そのPCにあった願望であれば、GMも許可するとよいでしょう。

願望の解放による効果

願望の解放によって、以下の恩恵を受けられます。